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続・廃バスの乗客
ペンネーム:ブルちゃんさん
※この体験談は「第60話 廃バスの乗客」の後編です。もし、前編をご覧になっていない方はまず、前編をご覧になってからこちらの後編をご覧下さい。
「第60話 廃バスの乗客」前編はこちらです。
夜中、近くのコンビニへ行く道の途中に工場があります。そこには一匹犬が繋がれているのですが、滅多に吠えたりするような犬ではないんです。
その日も、その工場の前を通ってコンビニへ向っていると、あの犬がおもむろに飛び出してきて吠え始めました。それは私にではなくて、全くちがう方向を向いて吠えているのです。しかし、犬が吠えている方には誰もいないし、何か犬の興味を引きそうな物もないので、少し気味が悪かったです。
そして、コンビニから帰ってくるとき、まだあの犬が吠えていたのです。ある一点を鋭く睨みつけ、狂ったかのように延々と吠え続けている様は、怖気が走ります。私が再び犬が見ている方向に目をやると、先ほどまで止まっていたトラックがどこかへ行っていたおかげで、犬が何に吠えているのかよくわかりました。
例の廃バスの住人が、ボーっと浮かび上がって、ニヤニヤしながら犬に手を振っているのでした。やはり、動物というのはこういうことに敏感なようです。
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