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マイクロバスの男達

ペンネーム:じゅんさん


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私が以前住んでいた場所の側にあった、工場でのお話です。私は会社に行くとき、必ずその工場の前を通りました。その工場の前には、一台のマイクロバスが止まっていました。

そのマイクロバスの中には、いつも二人の男性が笑いながらお金を数えています。私は、
(朝から忙しそうだなぁ)
と思っていました。夕方、家に帰って来るときにも、まだ、お金を数えています。

その事を母に話すと、
「あぁ……あの人達ね……あれは生きている人間じゃないよ」
と言われました。どうして知っているのかを訊くと、
「私がそのマイクロバスの前を通ったときに、やっぱりその男の人達が乗っていた。そして、そのマイクロバスの前を通り過ぎて、忘れ物に気づいて戻ったのよ。だから、また、そのマイクロバスの前を通ったら、もう、その人達は跡形も無く消えていたわ……ほんの数秒の話よ……」 そんな話を聴かせてもらいました。

しかし、それからもその男達は毎朝マイクロバスの中に現れました。やはり、お金を数えて笑っているのです。それから、しばらくしてその工場は無くなってしまい、一緒にあのマイクロバスも無くなりました。母はあれは幽霊だと言っていましたが、正直私は今でもよく分かりません。あの人達が生きている人だったのか、それとも……

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