私の勤めていた学校で、それを見てしまいました。その日も、いつもどおり授業を終え、講師の休憩所に戻っていきました。

講師の休憩所に行くには、受付を通らなくてはならず、その受付の前を通ると、必ず面接室が目に入ります。私が受付を通り過ぎると、面接室に人が座っていて、その人はなにかを書いていました。

おかっぱ頭の女の人（というか、女の子というか？　少々幼い印象を受けました）で、顔はうつむいていて、よく見えません。少し前に流行ったような古い服とスカート。なにかおとなしい感じの人でした。

面接室に担当の人が誰もいなかったので、私は担当者が忘れているのではないかと不安になったので、受付の人に、
「面接室に誰かいるけど、担当の人は？」
と訊ねました。すると、受付の人は、きょとんとした顔で、
「え？　……先生、誰もいらっしゃいませんが」というのです。
「そんなはずないよ、ほらそこに……、あれ？」
改めて面接室を見ると、もう誰もいないのです。すると、受付の人が、
「先生まさか、幽霊……」
怖がっている感じで言いかけたので、私は自分の勘違いということにしました。しかし、妙に生々しい幽霊だったなというのを覚えています。まもなく、私はその学校を止め、学校自体も閉校しました。

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