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虫の知らせ?(前編)
ペンネーム:九州男児さん
僕は九州から東海地方へ来て一年ほどたちます。
これは、去年の夏の事です。
残業が多く、その日も夜10時半頃に帰宅しました。
着替えていると、隣の部屋の扉がバタンと閉じた音がしました。
お隣はおばあさんの一人暮らし。
こんな時間にごみ捨てかな?と思いました。
そう思った瞬間、一気に全身に寒気が走り鳥肌が立ちました。
汗をかいた体が一気に冷えたかと思いましたが、なんだかざわざわと胸騒もしていたのを覚えています。
と次の瞬間、
ピンポーン
ビクッとしたことは言うまでもありませんw
インターホンで「はい」と聞くと、
年配の男性(カメラ付)が「隣の吉田(仮 です。」と言いました。
たまにお隣は、おばあさんの様子を見に、息子さんが見えられています。
その男性は、少し言いにくそうに、
「夜分にごめんなさいね。落ち着いて聞いてくださいね。
お父さんが倒れられて、すぐ帰ってきて欲しいとの事なんですけど。」
僕は頭が??となり、どういうことか聞き返しました。
「○○(実家の地名)のお父さんが、お仕事中に倒れられて・・・」
一通り聞いて、お帰り頂きました。
あまりにとっぴな話で、実家に確認しなくてはと思い連絡するも、
実家も兄の携帯も電話が繋がりません。
これは本当に一大事なんだと思い込み、とりあえず飛行機の予約をし車を出しました。
疲れもあってからか、空港の駐車場で寝てしまい、起きるともう飛行機の時間間際でした。
会社に数日休むと連絡し、兄に実家に向かうことをメールで送り、飛行機に乗りました。
そして、3時間後実家に着きました。
改めて兄の携帯に電話を入れる。
「はぁ?親父なら普通に仕事に行ったよ。」
と返ってきた。
メールも届いていないとの事。
僕は訳が分からなくなりながらも、ほっとしました。
庭でボーっとしていると、あれ?と思うことが次々浮かびました。
?あの人は隣の息子さんじゃない。顔は知っているのに・・・。
?帰ってもらった後に、隣のドアが閉まる音がしなかった。
?お隣さんは僕の実家を知らない。
?何より、お隣に僕宛の連絡が行くはずがない。
※このお話の後編「第73話 虫の知らせ?(後編)」はこちらです。
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