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S池
ペンネーム:kazooさん
この話は今から20年くらい前の話です。当時、私は大学生でKで一人暮らしをしていました。
とある夏の夜、連れが私の部屋に集まっていました。深夜1時くらいになり、連れの中の一人が全国的にも有名な心霊スポットである「S池」に肝試しに行こうと言い始め、私を含めて四人が原チャリで「S池」に向かいました。
夜中ですので、池の付近は私たちの原チャリ以外に走行する車などおらず、とても静かでした。池の畔にある病院の門まで行き、みんなで何事もなかったことを確認し合った後に同じルートで帰ることになったのですが、行きは私が最後尾だったので帰りは私が先頭を走ることになりました。何気に池の方を眺めながら走っていたのですが、池の畔のバス停を通り過ぎた直後、白っぽい服(ワンピース?)を着た髪の長い女性がバス停に立っているように見えました。
「ん?!」
私は止まり、あわててバス停の方を振り返りましたが、バス停には誰も立っていませんでした。
先頭を走っていた私が急に止まったため、後ろの三人も止まり、話しかけてきましたが、私の見間違いかもしれないので、
「いや、何でもない。」
とだけ返事をして、その日は私の部屋に戻りました。
その日から一週間くらいたった別の日、また連れが私の部屋に集まり、深夜「S池」に行くことになりました。今回、私は行きませんでしたが、霊感がある(たまに霊を見ることがあるらしい)連れが行くことになりました。この連れは前回行かなかったのですが、今回はみんなに懇願されて行くことになりました。(本人は今回も乗り気ではなかったようです。)
そして1時間くらい経ち、肝試しメンバーが帰ってきました。メンバーの中の一人が「今回も何も出んやったなぁ・・・。」と言いました。すると、霊感がある連れが「いや、バス停のところにおったで。」と口を開きました。私はまさかと思い、その連れに問いかけました。「それって髪の長い白っぽい服を着た女の人とちゃう?」連れは驚いて「何でわかるんや?」と逆に問ってきました。
やはり私は見ていたのでしょうか・・・。
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