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惑わす夜道
ペンネーム:タクシードライバーさん
その筋の感の有無はよく私には解らないですが、見たくない会いたくないと、思っても突然見たり会ってたりもする。無意識に。毎日人と接する生活の中で、その全ての人々の中で、誰が今世の人であの世の人なのかさえも知らず知らずのうちに接待してる事も解らないのです。どんな人達も。客商売人は選べません。タクシーも知らず知らずに、あの世の中の人が利用しないとは限らない。私はよく経験したからです。
深夜の繁華街から山奥に帰る客を乗せ。林道の狭い山道に1時間かけたどり着き。寂しく佇まむ一軒家でその客を降ろし。帰路につき。車を走らせ。迷うはずない1本道だったのですが、道中道に迷い。延々と同じ道を堂々巡り。1時間も同じ事を繰り返していた私はたまらずさっきのお客さんに帰り道を訪ね様とその家を探して走り出し、やっとの思いでたどり着き、真っ暗の中門扉を開け中に入ってみました。
しかしその建物は完全に廃屋の一軒家で朽ち果て、人が住める様な家でなく、屋根は崩れ窓も割れており、中も外から丸見えで人は居るはずもなかったのでした。1本道一軒家は国道からここまでひとつもなく迷うはずはない。私はやられたと思い車に戻り発車させようとした瞬間前方に人影を見てびっくりした、ライトに浮かび上がった男性に。さっきの乗客だった、急ブレーキで停止しその男は私の考えていた事が解っていた様に右手を上げ、真上から左方向に進路を示す合図を送って来たのですが、同じ動作をしたと思ったらその男はスッと照らされたヘッドライトから消えたのです。一言幽霊であれ現世の人であれ礼を言いたかったですがその前に消えたのです。指示通り勘違いしてたポイントを知り、そのまま進んで無事に国道に戻れましたが中には優しい幽霊もいるのです。
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